
誰しも58歳になると厚生省から年金の案内がくる。その案内を手にして「オレってそんな歳なんやぁ」と思い知ったものだ。
あれは二年前だった。手続きをしたはずの年金の振込みが待てど暮らせど振り込まれない。社会保険事務所に問い合わせると、「間違いなく振り込んでいる」の回答。
電話ではらちがあかないので、車で1時間かけて保険事務所に出向くと、折からの「消えた年金問題」で保険事務所入り口は人と車で大混雑。やっとの思いで窓口にたどり着き、整理券を手にしてみると、なんと300番代半ば。係員に予想待ち時間を尋ねると、5〜6時間先だという。朝一で来て14時、15時とは・・・。仕方なく街ブラして再度、二時に行くと、「あなたの番は過ぎたから、新たに整理券を」といったから大変だ。
「ええ加減にせぇよー、黙って聞いてりゃ、勝手なことほざいてぇー! オレも年金を消されて来てるんやぞぉ!」と怒鳴ったら、小声で「も、申し訳ありません。こ、こちにへどうぞ」と即座に1番窓口へ案内された。こういうときのために1晩窓口だけは空けてあるようだ。
偉そうな係員に「三ヶ月が過ぎたというのに未だに振込みがないのはどういうことか?」と問いただすと、係員が資料を取り出し、「間違いなく振込みはされておりますが?」とオレを見下すように見た。
「なら、振込み先を確認してみろ」と突っ込むと、なんと「県漁連」だという。「オレは山で住んでいるんやぞ。山ならJAだろ? 漁連は海やんか!」と突っ込むと、とっさに相手が資料をカウンター下に隠したではないか。それから「隠した書類を出せ」VS「出さぬ」の押し問答が続き、脅しすかした挙句に出させた書類を確認すると、オレが○印を入れたはずの「JA県信連」に×がつけられ、「県漁連」に○印がつけられていたではないか。
「なんで○が×になっているんや?!」と問い質すも、「・・・?」で返答がない。「存在しない口座に振り込めるはずがないやろ? 振り込んだ金は返ってきているはずやろ?」と突っ込むと、「そ、そういえば・・・」と蚊が鳴くような声に変わった。一体、なんやねん?! 呆れて突っ込む言葉もない。
そこで腹立ち紛れに「ここの駐車場は職員専用かぁ! われわれ来客用ではないのかぁ! みんな路上駐車でヒヤヒヤしてるというのにィ!」と大声をあげたら待合室の大勢から拍手が起き、職員の何人かが表に飛び出した。ざまぁ、みろだ。
すったもんだの末、それから二ヵ月後に年金は無事、正規の白ヒゲ口座に振り込まれ、その後、保険事務所の駐車場は、束の間だったらしいが来客用に空いていたようだ。
正直いって厚生省がこんなところだっとは知らなかった。いや、国の出先機関なんてのは、どこも似たり寄ったりだろう。
今回のおいらの件など、ほんの氷山の一角に過ぎない。オレに限って、私に限ってそんなこと・・・がありえるのだ。みなさ〜ん、「年金が消えた」なんて、絶対に許せないことなんですぞぉ。
若い世代に「年金はかけなさい」といってやれない今の世が悲しい。
■写真は五か月目のりん