
いっしょになると決まったら、次は指輪だ。
ところが彼女の指サイズが極細ときた。
ジュエリー店に行くと「身長が165センチで、6号なんて」と首を傾げた。
6号というたら6号や。信用せんのならオレが作ったるー!
すぐさま大工小屋に立てこもり、一晩かけて最高傑作を完成させてしまった。そしてこの指輪は、シンデレラのガラスの靴のように、彼女の薬指にドンビシャリ納まったのだからすごい。これぞ団塊世代の実力か。
ところでこのエンゲージリングの素材になったのは、水道工事用のステンレス製のナットである。だが、オレが魂を込めて、削って、削って、磨き上げたものだから、シルバーやプラチナにも引けをとらない世界に唯一つのエンゲージリングなのだ。彼女は今でもそれを自慢にしてくれている。どんなもんじゃい!
そして「満点でなくていい。可愛い女房でさえいてくれたら」が、プロポーズの言葉となった。 ・・・【続く】