
うちを訪れるお客さんの多くは「白ヒゲおやじ」を目的で来てくれている。だからできるだけそんなお客さんの相手をするように務めている。なぜかというと、これこそが白ヒゲおやじの生きがいでありポリシーだからである。
まずは細いアクセス道から始まり、どうやってこんな大きな材木を搬入したのか? とか、ログハウス談義とか、人生相談もあれば恋愛相談も、盛り上がる話ネタには事欠かない。
ところが中にはいくら相手しても反応のない人がいる。笑わそう、乗せようとしてジョークを連発してもまったく受けない人がいる。なら引っ込むしかない、で席を立とうとすると「もっと相手して」とくる。正直いってこういう場合は語るのが辛い。単なるおとなしい性格というのではなく、ストレートにいうと感動がえられづらいタイプなのだろう。
よく「白ヒゲおやじは話上手」だといわれる。しかしそれは相手次第であり、話を聞く側にも「ふうーん」、「あっ、そうなんだぁ」、「へえーっ」くらいの適度の相槌がなければ話すに話せなくなる。
私は食事をして、風呂に入って、TVを観て、寝て終わるだけの宿になんか泊まりたくない。その土地柄や方言や気質と触れ合い、宿の主人と仲良くなれそうな宿を選ぶ。そして相手が気分良くしゃべれるような雰囲気作りを心がける。誰しも暗く湿っぽいのより、腹から笑って語り合えるほうが歓迎されるに決まっている。迎える側は複数客が相手である。だからこそ、その中で好感を持たれるような客を目指せば自ずと応対も変わってくるのではないだろうか。
このブログ200話目の記念に、白ヒゲおやじからみなさんに贈る感動を得る旅の心得の一つでした。
―写真は語り草の一つとなっている巨大な本館の骨組み―