
うちのバイトに「ミク」という人気者のバイトがいる。高校一年生から続けてきてくれているバイトで、目方は推定90〜0キロ。
「ミクー!」と呼べば体型に似合わぬ「ハーイ」と可愛い返事がたまらない。特技は、キャベツをじっくり、ゆっくり、優しく削り、見事なまでのふあふあ千切りキャベツを作れる大ソリティーでもある。
湯気が立つほどほやほやの免許取立ての時、同じ場所で、それも二度にわたって80キロオーバーを続けて免停となった懲りないやつでもある。
♪ そんな大男が、お客さんとの酒盛りの最中に突然、オレの横にどかっと座り込むことがある。
「ただでさえ、くそ暑いのになんで側に来るんや?」
「おやじさんが呑み過ぎて倒れたらダメだから」
「・・・・・・」
♪ 「ギャラ以上に10こも20こも、バーガー買って・・・」
「おやじさんの大好物だから」
「・・・・・・」
♪ お盆に、バイトたちに寝床を譲ったため寝るところがなくなり、風呂場で寝ていたら、
「おやじさんが沈んだらダメだから」
「・・・・・・」
なんと浴槽の横で朝まで付き添っていてくれたこともある。
なにをやってもスロー、いや、マイペース。独特の「ミクリズム」を持っている。そのすべてが癒しなのである。
決して器用ではないけれど、昔風の気は優しくて力持ち、その上、裏表のない純粋人間。今のような時代だからこそ、その存在感が大きい。できることなら養子に迎えたいものである。
岸和田のキクちゃん曰く、「ミク君と逢えないマウンテンドームはつまらない」。ということは、オレは一体、何なんや?
今週末の連休もミク君は来てくれる予定である。
―写真は「禁じられた遊び」を、もみじのような手で爪弾く癒しのミク―